トランクルームを借りる理由は様々ですが、利用者の方は物に対する愛着や思いやりから利用なさっています。
しかしせっかくトランクルームを借りたのに保管物が傷んでしまっては台無し。
トランクルームにおいて保管物をダメにする主な原因はカビやダニによるものです。
今回はトランクルームにおけるカビ、ダニ対策を解説させていただきます。
目次
なぜカビ・ダニは発生するのか?
この項目ではカビ・ダニの性質や発生原因を説明します。
カビが発生・繁殖する条件
カビが繁殖しやすい環境は大きく分けて4つあります。
・温度が20~30℃(特に25~28℃)
・湿度が70%以上
・酸素のある環境
・栄養分が豊富な環境
カビは0~40℃の間で生育し、特に25~28℃の間で活発的に活動するという特性があります。
また微生物であるカビの生育には水分が不可欠で、湿度が70%を超える環境だと増殖が始まります。
さらには微生物を大きく分けると、生育に酸素を必要とするものと必要としないものに分けられ、カビは酸素を必要とする微生物(好気性)です。
最後にカビは細菌に比較して非常に多種多様の栄養源で生存することができ、本や塗料、さらには接着剤すらも栄養にすることができます。
次はダニの生体についてです。
ダニが発生・繁殖する条件
・ダニが繁殖しやすい環境は大きく分けて3つあります。
・温度が20~30℃で、湿度が60~80%
・栄養となるホコリや人のフケや垢、毛がある
・卵を産める場所がある
上記の3つが揃うと、ダニは大量に繁殖します。ダニを繁殖させないためには、カビ同様に換気がよく湿度が高くない環境を用意することが重要になります。
カビ・ダニ対策を考慮したトランクルームの選び方
この項目では、カビ・ダニ対策という観点からトランクルームの選び方を解説します。
コンテナ型より屋内型トランクルーム
カビやダニの性質から考えるとカビ対策に向いているのはコンテナタイプより屋内型トランクルームです。
コンテナ型が向けない理由としては主に2つの理由が挙げられます
・昼と夜の寒暖差で結露が発生しやすい
・空調設備がない
コンテナ型は熱伝導率の高い金属でできており直射日光にさらされるとコンテナ内の温度は非常に高くなり、日が沈むと急激に温度が下がります。そうすることによって結露が発生してしまいます。ご存知の通り結露はカビの大敵ですね。
またコンテナ型は空調設備を備えておらず、排気口や換気扇もないため、空気の出入り口は扉のみです。そうなると適切な温度・湿度管理ができないばかりか換気もできずカビやダニの増殖につながります。
そのような理由から、カビ・ダニが心配な荷物を保管する際はコンテナ型がより屋内型のトランクルームを借りるほうがいいでしょう。
エアコンがある屋内型トランクルームを選ぶ
屋内型でも空調設備がついてないトランクルームもあるので、要注意です。
また空調完備を謳っていても各収納スペースごとに天井まで仕切りがあり、空調が循環していないということもあります。
やはり契約する際は事前によく調べておくことが重要です。
このことから考えると、カビ・ダニ対策の観点からトランクルームを選ぶ際は空調完備で室内温度が25℃以下、湿度を60%以下にコントロールしている屋内型トランクルームが最適といえます。
コンテナタイプと屋内型トランクルームの違いについて詳しく知りたい方向けの記事
収納時に利用者も対策を行う
エアコン付トランクルームであれば自分での対策は行わなくても構わないですが、近隣にそのようなトランクルームがない場合もあるかと思います。その場合は自分で対策を行わなければなりません。
最低限の対策として
・床にはスノコを敷く
・保管物はトランクルームの壁に密着させない
・除湿剤をトランクルーム内に置く
カビは水の溜まりやすいトランクルーム内の壁際や床に発生しがちです。
そのため、壁や床に荷物が触れないよう壁際からは少し距離を取り、床にはスノコを敷いて直接触れないように配置してください。
床や壁に隙間をつくることで、空気を通し湿気がたまりにくくする効果もあります。
荷物預ける前の準備でのカビ・ダニ対策
この項目ではカビ・ダニ対策として布団・衣類を収納する前に行うべきことをご紹介します。
保管する前に必ず洗濯をする
あらかじめダニ・カビの栄養源である人間の汗や皮脂を洗い落としておくのが重要です。
カビは天然繊維や皮革をも分解し栄養にしますが、栄養源を減らすというのは極めて有効な対策になります。
しかしここで厄介なのは布団にすでに生息しているダニです。
布団に潜むダニ対策にはコインランドリーの乾燥機が有効
実は家庭用の洗濯機ではすでに布団に潜むダニを死滅させることは難しいです。ダニは繊維の奥まで入り込み、洗濯しても、天日干ししても、掃除機をかけてもなかなか数を減らすことは容易ではないありません。
ここで有効なのはコインランドリーの乾燥機です。
ダニは50℃以上の環境では20~30分で死滅し、60℃の環境では一瞬で死滅します。
コインランドリーの乾燥機は60℃以上で加熱することができ、また布団の大きさにも対応しています。
※素材によって乾燥機を使うと傷む場合があります。事前に調べたからご使用ください
掃除機はダニの死骸やフンの除去には有効
掃除機では生きたダニを取り除くことはできませんが、ダニの死骸やフンの除去には有効です。
ダニの死骸やフンも栄養になり、またアレルゲンの原因になるので掃除機をかけることをおすすめします。
収納に便利なグッズ
この項目では、ぜひ買っておきたい布団・衣類の収納に便利なグッズをご紹介します。
スノコ
床にスノコを敷くと空気の流れができ、湿度を抑え、カビやダニの好む条件を排除することができます。
衣服・布団以外にも家具・家電やレジャー用品のカビ対策にもなりますので、特にオススメです。
衣装ケース
衣装ケースはぜひ揃えておきたい便利グッズです。収納スペースを有効活用できます。
衣装ケースで保管する際は、衣服をぎっしり詰めすぎず、空気が循環するよう上部に余裕を持たせておくとで、湿度を抑えることができダニ・カビ対策に有効です。
布団圧縮袋
布団圧縮袋を使用すると体積を少なくして収納スペースを増やすことができます。
ホコリやダニから守るだけでなく、一緒に脱酸素剤を入れると極限まで酸素を減らすことができるためカビ対策にもつながります。
除湿剤や重曹
除湿剤は湿度を抑える効果があるため、ダニ・カビ対策には必須です。また重曹にも除湿効果があるので、アロマと重曹で手作り除湿剤を作るのもいいですね。
衣装ケースにシートタイプの除湿剤を入れるとさらに効果が上がります。
まとめ
今回は、トランクルームに荷物を預ける際のカビ・ダニ対策について詳しく解説しました。
あなたの大切な荷物が台無しにならないように、記事を参考にして、きちんとカビ・ダニ対策をした上で、トランクルームに保管してみてください。