ここ数年で急激に数を増やしているトランクルーム。一般的にはトランクルームやレンタル収納スペースという呼び方の方が浸透していると思いますが、正式には「セルフストレージ」といいます。このセルフストレージ事業と似たような事業で倉庫業というものがあります。
トランクルームの種類を説明する上で、倉庫業とセルフストレージ業について解説いたします。
目次
倉庫業とは
倉庫業とは、端的に言うと「荷物を預ける」というサービスです。
トランクルームのように割り当てられた空間に自由に物品を置くというよりは、物品を一つ一つ預けて保管をしてもらうというものです。
少し専門的になりますが、物品を預ける「寄託契約」という事業形態です。銀行をイメージすると分かりやすいかもしれません。
寄託契約とは,ある物を保管する人(受寄者)が,保管してもらう人(寄託者)に対して寄託者のために保管することを約束し,寄託者からその物を受け取ることによって成立する契約です。 簡単に言うと,物の保管契約のことです。
銀行の預金も,金銭という物を預金者のために銀行が保管する寄託契約ですが,預った金銭を銀行が自由に使うことができ,その代わりに同じ金額を返せばよいというものですのですから,寄託は寄託でも,消費寄託契約と呼ばれる特殊な寄託契約です。
預けた荷物は、業者が責任を持って保管し、管理体制も厳格で、営業時間中に立会いのもとで、荷物の引渡しをするところがほとんどです。
セルフストレージ事業とは
近年急成長しているセルフストレージ事業とはどのようなものかというと、端的に言えば「荷物を保管する場所を借りる」サービスです。
「荷物を預ける」というサービスの倉庫業との違いはここにあります。
セルフストレージ事業は倉庫業の「寄託契約」という事業形態と違い、「賃貸借契約」に基づいた事業形態です。
いわゆるアパートやマンションを借りる際の契約と同じでようなものです。
しかし、ここ最近のレンタルスペースでは防犯システムも完備や損害保険を付けているところも増えてきているので、レタルスペースを選ぶ際の一つの指標としてセキュリティー面も考えてみてはどうでしょう。
トランクルームは大きく分けると2種類
トランクルームは大きく分けると2種類に分けられます。
1つはコンテナ型と屋内型の二種類です。
コンテナ型の特徴
古くからあるトランクルームといえば、このコンテナ型です。費用の安さや設置や移動の簡便性からコンテナ型はまたたく間に普及してきました。比較的、契約料金も安いのでコストの面から考えると、コンテナ型はオススメです。
郊外ではこのコンテナ型が建築関連事業者が備品や道具類を収納として非常に利用されています。
しかし空調システムがないため、気候の変化の影響を直接受けるので、高温、高湿度で劣化してしまう保管物を収納したい方には後ほど紹介する屋内型をオススメします。
コンテナ型収納に向いていない保管品
PCなどの精密機器
PCなどの精密機器は熱に弱く、空調システムを導入していないコンテナ型だと故障や破損の原因となってしまいます。
着物や毛皮のコート
毛皮などデリケートな素材の衣服は湿度に弱く、傷みやすいです。クローゼット代わりに使用したい場合は、後述の屋内型トランクルームを利用しましょう。
雛人形・五月人形などの季節のイベントのもの
雛人形五月人形など年に一度しか使わないため、利用頻度が圧倒的に低く、使うタイミングが明確なものはトランクルームに預けるのがベストです。
しかしこちらも湿度に弱くコンテナ型だとカビが生えてしまいます。
コンテナ型に向いている保管品
家の建て替え時、家具の一時的な置き場所として
家の建て替えやリフォームの際、捨てられない家具や家財道具が一杯になります。
「仮住まいに引っ越すけど、すべての家財道具は収まりそうにない。」という状況になりがちです。そんな時にコンテナ型を利用すると、家の建て替えやリフォームの際の費用を安く抑えられます。
アウトドアグッズ
テントやコンロなどのアウトドアグッズはコンテナ型での保管をオススメします。
テントなどは外気にさらされても劣化を起こしにくいため、屋内型を利用するよりも費用を安くで済ますことができます。
しかし、真夏の昼間のコンテナ内の室温は40℃を超えます。
アウトドアグッズと一緒に保管しがちなガスボンベなどの引火物は、火災の原因になるので絶対に保管しないよう細心の注意をしてください。
屋内型トランクルームの特徴
都市部を中心に数を伸ばしているのはこの屋内型です。
実際、「ビルまるまる1棟のタイプ」やいくつかのフロアーを使う「ビルインタイプ」、3階建て程度の「低層型1棟タイプ」などユニークな屋内型トランクルームが広がっています。
コンテナ型と比べて設備が整っているのが大きな特徴です。
荷物を運ぶ時、車を利用するので専用の駐車場がついていますし、物品の劣化を防ぐために空調設備を取り入れて、常に最適な温度と湿度に保っています。
一部の施設では防犯カメラも取り入れてあり、セキュリティー面もコンテナ型と比べて非常に高くなっています。
コンテナ型と比べて少々値段が上がりますが、大切なモノを守るということから需要も伸びています。
まとめ
今回は倉庫業とセルフストレージ事業の違いと、トランク型のトランクルームと屋内型のトランクルームの違いについて解説しました。
この記事を読んで、自分の利用目的にあったサービスを見つけられれば幸いです。